視力0.06は未来に何を見た

信号

車のライト

エアコンの点灯

東の夜景

花火のように見えてくる

使い捨てのコンタクトレンズ

曲がらない眼鏡

高校3年生のミツバツツジ側教室

黒板の文字が突然見えにくくなった

合唱コンクールのピアノ伴奏

近づいて見た楽譜

なごり雪

友達に借りたユニフォーム

昼休みバレーボール

上り坂

階段

病弱でおやすみばかり

大好きな友はまだいた

なにひとつ

あの わたしと 今の わたしは

変わってはいない

あの わたしは 今の わたし

今の わたしは あの わたし

時間が過ぎるということさえなければ

皆 悲しくならない

すべてこの目が見た

すべてこの目が見たのに

0.06は近づかなければ原型の現実がよく

わからなくて泣く

原型の現実がどんな形をしているか

見ないように遠くにいるままの自分とか

だめ押しの目薬は刺さり

沁みて

薬だろうか 涙だろうか 

3つ あなた いるって 言った

どれが本当の あなた

コンタクトレンズも眼鏡もしない

わたしは眠るときだけ

主よ 人の望みの 喜びよ

流れて

あなた 扉開けて 歩く時

隣には誰が

裸眼の瞼を閉じる時間のわたしが

いつも思う

0.06は未来に何を見た

あなたのとなりにいるわたしを見ていた

見ているのに

瞼開くと LED